歴史的な国交回復を昨年実現したばかりの米国の対キューバ融和政策に暗雲が立ちこめている。トランプ次期米大統領は26日、フィデル・カストロ氏の死去を受け、反カストロ体制の姿勢を当選後初めて鮮明にした。
特集:フィデル・カストロ氏死去
特集:ドナルド・トランプ氏
フィデル・カストロ氏死去 キューバ前議長、90歳
対キューバ外交の転換はイラン核合意と並び、国際協調を目指したオバマ政権のレガシー(遺産)だ。トランプ氏が選挙中に掲げていた「レガシーの否定」が現実味を帯びてきた。
トランプ氏は声明で「今日、世界は60年近く自国民を抑圧してきた残忍な独裁者の死去を記録した」とし、カストロ氏の「レガシー」として「銃殺隊、盗み、想像を絶する苦悩、貧困、基本的人権の否定」と列挙した。
さらに「我々の政権は、キューバ国民が繁栄と自由を迎えることを保証するため、できる限りのことを行う」と強調。「キューバは全体主義的な島のままだ。私の望みは、長い恐怖から解かれ、すばらしいキューバ国民が自由に暮らせる未来に向かう転換点に今日がなることだ」とし、現体制との歩み寄りを否定した。
またペンス次期副大統領もツイ…