ロイヤルホールディングスの黒須康宏社長=同社提供
■ロイヤルホールディングス 黒須康宏社長に聞く
従業員に幸せな人生を送ってもらうためにも、長時間労働ではなく、余暇が取れる環境を整えなくてはならない。そのために、営業時間の見直しに取り組んでいる。来年1月までに、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」で24時間営業の店舗はゼロになる。
各社トップのインタビュー、特集ページで
長時間労働の原因は「仕事優先の考え方」
百貨店が復活が相次いだ定休日についても、考えるべき時代が来ている。今は当たり前のように休みがない。「デニーズ」や「すかいらーく」が先になるかもしれないが、検討していくべきだとの思いはある。
ロイヤルホストでは、長年かけて、24時間営業を19時間、16時間へと段階的に短くしてきた。昨年に比べ、全店平均の営業時間は30分超も短くなった。来年以降も、さらに各店ごとに本当に必要な営業時間を精査して、もう少し短縮していこうと思っている。
競合店が増え、生活習慣が変化するなかで、深夜や朝の客も次第に減ってきている。客が来ないのに無理をして開けている必要はない。朝や深夜を短縮した分、一番客が来てくれるランチやディナーの時間帯に、従業員を手厚く配置することができる。そうすれば、充実したサービスを提供できるようになる。
売上高を保証するという意味では、実は営業時間はあまりいじりたくない。ただ、(人員の再配置などで)サービスがより充実すれば、営業時間を短くしても、来客は増え、業績は上がる。これが、年々厳しさが増している人材不足に対する、我々の答えだと思っている。(聞き手・湯地正裕)