29日、自らの任期短縮を含めた進退について声明を発表する韓国の朴槿恵大統領=AP
韓国の朴槿恵(パククネ)大統領(64)は29日午後、ソウルの青瓦台(大統領府)で会見し、自身の任期短縮を含めた進退について、国会の決定に従うとの考えを表明した。自身が関係する一連の疑惑で批判を受けて、事実上、任期途中での退陣を表明した。韓国では1987年の民主化以降、大統領が任期途中で辞任するのは初めて。
特集:朴槿恵大統領
万策尽きた朴大統領 特異な政治手法、知人らの介入招く
朴氏は「大統領職の任期短縮を含めた進退問題を国会の決定に委ねる。国政の混乱と空白を最小化し、安定的に政権を移譲できる案を作ってくれれば、その日程と法手続きに沿って大統領職から退く」と述べた。
朴氏の疑惑をめぐっては、支援者のチェ・スンシル被告に機密文書を渡した問題や、チェ被告が前秘書官らと共謀して財閥企業に財団の設立資金を出すよう強要したとされる事件で、世論が反発。検察当局はこれまで起訴した事件で、朴氏を職権乱用罪や強要罪、公務上機密漏出罪などの被疑者と判断していた。
国会は弾劾(だんがい)の議決に向けて動いており、憲法裁が決定すれば大統領を罷免(ひめん)される。厳しい状況になり、このままの形で政権を維持するのは困難だと判断した。
次期大統領選は憲法の規定で、辞任から60日以内に実施される。
朴大統領の任期は2018年2月までだった。(ソウル)