トム・プライス下院議員=ロイター
トランプ次期米大統領は29日、次期厚生長官に共和党のトム・プライス下院議員(62)を起用することを決めた。プライス氏はオバマ政権の目玉政策だった「医療保険制度改革(オバマケア)」に反対した急先鋒(きゅうせんぽう)で、オバマ氏の「レガシー(遺産)」に、トランプ政権がどう切り込むのかが注目される。
特集:ドナルド・トランプ氏
プライス氏は南部ジョージア州選出(6期目)で、下院予算委員長を務める。整形外科医として約20年の経験があり、医療分野の政策通として知られる。国民皆保険を目指したオバマケアの撤廃を主張し、自らの代案を出し続けてきた。トランプ氏は声明で「医療政策の頼りになる専門家」としたうえで、「オバマケアの廃止、置き換えを主導するのに群を抜いて適任だ」と評価した。
プライス氏はオバマケアについて「米国民は医療により多くの金を払いながら、選択肢が減り、質が下がっている」と批判。代案では、政府が国民に保険への加入を義務づけるオバマケアを廃止し、市場原理を生かし、民間の保険の加入者の税負担を軽くする措置などを訴えている。
トランプ氏は選挙期間中、オバ…