キューバのロドリゴ・マルミエルカ・ディアス外国貿易・投資相=29日、東京都港区のキューバ大使館、杉崎慎弥撮影
来日中のキューバのロドリゴ・マルミエルカ・ディアス外国貿易・投資相が29日、東京都内で朝日新聞などのインタビューに応じた。キューバの現体制を強く批判するトランプ次期米大統領について「キューバのことはキューバ国民に任せてほしい。他の国がとやかく言う問題ではない」と述べ、内政干渉だとして反論した。
同氏は、オバマ政権による経済制裁緩和に関して「前進はしたが、本質的な封鎖は残っている。不十分であり、発展の一番の障害になっている」と主張した。さらにこの融和策を「終わらせる」とツイッターで警告したトランプ氏について「(新政権に)特に期待するものはない」と切り捨てた上で、「我々は原則的立場を維持するだけだ」と語った。
社会主義体制を半世紀率いたフィデル・カストロ前国家評議会議長の死去を受け、「悲しいことだが、経済や外交政策などが変わることはない」と強調。「肉体はこの世から消えたが、彼の残した革命の理想を裏切ることなく努力を続けたい」と語った。
今回の来日は、日・キューバの経済関係強化を目指す官民合同会議などへの出席が目的。岸田文雄外相と28日に会談し、両国の経済関係強化の必要性を確認し合ったという。マルミエルカ氏は「来年から交渉が始まる投資協定の締結など、日本の企業が進出しやすい土壌が整うよう努力したい」と話した。(杉崎慎弥)