南スーダンの首都ジュバの国内避難民保護区内にある児童施設。戦闘激化への懸念から国外脱出の希望者が急増し、7月に約1400人いた児童が現在約1040人に激減している=11月29日、三浦英之撮影
混乱が続く南スーダンを視察した国連人権専門家調査団のメンバーは11月30日、首都ジュバで報道陣の取材に応じ、政府軍と反政府勢力の双方が子どもを含めた民間人らを戦闘員として強制的に動員し、「次の戦闘の準備をしている」と指摘。「民族間の緊張と暴力が、全土で前例のないレベルに達している」と警告した。地元メディアが伝えた。
三浦記者の南スーダンルポ
調査団は10日間、同国内を視察。乾期が始まって移動が容易になることから、戦闘の激化が予測されるとした上で、「(視察中に)報復を求める声を繰り返し耳にした。南スーダン人としての一体感は崩壊しており、民族意識が渦巻いている」と語った。
ジュバではここ数日、戦闘が再開されるのではないかとのうわさが市民の間で流れ、空港や政府庁舎、国連施設周辺を政府軍兵士らが厳重に警備するなど緊張した雰囲気に包まれている。国連宿営地に隣接する国内避難民保護区では、戦闘の再発を恐れ、国外施設への移送を求める避難民が増えている。
南スーダンでは陸上自衛隊が国連平和維持活動(PKO)に参加。安全保障関連法に基づいて新たに付与された「駆けつけ警護」は、今月12日から実施可能になる。(ジュバ=三浦英之)