くす玉を割って登録決定を祝う関係者ら=1日午前2時ごろ、熊本県八代市本町1丁目
無形文化遺産への登録が決まった「八代妙見祭」の地元、熊本県八代市では30日夜から、市中心部の商店街アーケードの中に市民ら数十人が詰めかけて朗報を待った。祝賀行事を見越して八代妙見祭保存振興会と市が事前に紅白幕やくす玉を取り付けた。
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山・鉾・屋台行事、無形文化遺産に登録決定 ユネスコ
1日午前2時ごろ、エチオピアでの審議の進行をアナウンスしていた司会者が「たった今、日本の審議が始まりました!」と興奮した声で告げ、それからまもなく登録が決まったことを告げると、会場から歓声と拍手がわき起こった。くす玉が割られ、鏡開きをして日本酒が振る舞われた。
保存振興会の浜大八郎会長(72)は「これからは後継者の育成、用具の保存、世界発信の3点に一層取り組む。11月の祭りの季節だけでなく、1年間毎日発信できるようにして街の活性化につなげたい」。同振興会の副会長で、妙見祭神幸行事で神馬の奉納会長を務めた渕田義昭さん(71)は「決定を待つ間の長い時間は苦にならなかった。後継者育成が一番重要。子どもたちに喜んで参加し継いでもらえるように努力しなければならない」と語った。中村博生市長(58)は「八代の誇りだけでなく、世界の宝として後世に守り伝えなければならない」とコメントを発表した。