アイススレッジホッケーの日本代表に復帰した安中幹雄選手=11月、東京都東大和市、長島一浩撮影
「氷上の格闘技」と呼ばれるアイススレッジホッケーの世界選手権(Bプール)が北海道苫小牧市で開かれている。2018年平昌(ピョンチャン)冬季パラリンピックの1次予選を兼ねた大会。若手選手の不足や活動資金の悩みを抱える日本代表チームだが、「結果を出して、『冬季パラ』を知ってもらうチャンスにしたい」と好調な戦いぶりだ。
パラスポーツ特集「チャレンジド」
選手権は世界ランキング上位からA、B、Cのプールに分かれ、Bプールは日本、チェコ、英国、スロバキアの計4チームで先月28日から始まった。日本は現在2連勝で、決勝進出が確定。来年秋に予定されている平昌パラリンピック最終予選の出場権を得た。
日本代表は、1998年長野大会から4大会連続でパラリンピックに出場し、10年バンクーバー大会は銀メダル。しかし、前回のソチ大会は出場を逃した。
日本アイススレッジホッケー協会によると、国内の競技人口は40人弱。そのうち15人が世界選手権出場チームのメンバーで、平均年齢は40歳だ。強豪の米国やカナダは10代、20代の選手がしのぎを削る。須藤悟主将(46)は「日本の強みはチームワークと守備の堅さだが、弱みは加齢による体力不足と『慣れ』で競争できていないこと」と話す。
夏季の障害者スポーツでは、アスリート雇用で企業に所属しながらもトレーニング中心の生活を送る選手が増えている。一方、アイススレッジホッケーのメンバーはほとんどがフルタイムで仕事を続ける。
活動資金も課題。年4回ほどの海外遠征を目指すが、国からの強化費では2回が限度。昨年はインターネットで寄付を募るクラウドファンディングで約400万円を集め、イタリアとチェコ、韓国を招待した。
リオデジャネイロパラリンピックが開催された今年。須藤主将は「障害者スポーツのイベントや報道が増えたいま、冬季パラを盛り上げるため、必ず(平昌大会に)出場したい」と話す。