チーム最年少の18歳、永野元佳乃=白井伸洋撮影
日本勢一番乗りで平昌五輪切符を獲得した女子アイスホッケーの日本代表(愛称スマイルジャパン)。17歳差の「新」戦力2人が光った。今季代表に加わったチーム最年少18歳の永野元(えのもと)佳乃と、バンクーバー五輪最終予選後からの空白を経て復帰した最年長35歳の小野粧子。3―1で勝ち五輪出場を決めた12日のドイツ戦、先発出場した永野元は最前列で体を張り、小野はチーム2点目を決めた。
大阪府堺市出身の永野元は「北海道の選手より遅れている」という思いで突っ走ってきた。「五輪に出るために、レベルの高いところでプレーしたい」と、中学2年で母、弟2人と北海道苫小牧市に転居。さらに昨夏、駒大苫小牧高を退学し、今はカナダのアイスホッケー専門学校に留学中だ。
「カナダで衝撃だったのは、フェンス際での競り合いの強さ」と言う。そして、本場を引き合いに「競り合いへの執着心が海外選手並み」と認め、目標にするのが、小野だ。
小野は2008年11月のバンクーバー五輪最終予選で敗れ、「自分をもう追い込めない」と代表から退いた。所属した西武を辞め、出身の北海道に帰って結婚。自宅近くのクラブ、フルタイムシステム御影に入った。
選手としてプレーしながら若手を指導するうちに、思いがけず自分の技術が上がっていることを感じた。「視野が広がり、納得できるプレーが増えた」。昔の仲間がソチ五輪でプレーする姿を見て「今の私なら、チャレンジできるかも」ともう一度代表入りを目指すと決意。15年の代表合宿で復帰を果たした。
永野元は「やっとスタートラインに立てた。五輪では得点したい」。小野は「まだまだここから。五輪へ、もっとレベルを上げる」。五輪に出るだけでは、2人とも満足しない。(渡辺芳枝)