北海道積丹町の積丹岳で2009年に遭難した札幌市の男性会社員(当時38)が死亡したのは、道警が救助方法を誤ったためだとして、両親が道に約4180万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、約1800万円の支払いを命じた二審・札幌高裁判決が確定した。最高裁第三小法廷(大谷剛彦裁判長)が、11月29日付の決定で道の上告を退けた。
昨年3月の二審判決によると、道警の山岳遭難救助隊が積丹岳で男性を発見したが、運ぶ途中に隊員が男性を滑落させた。男性はその後、凍死した状態で発見された。
一、二審判決は「山岳遭難者救助は警察の責務」とした上で、隊員の救助方法に過失があったと認定。二審は過失を一審・札幌地裁判決より重く見て、賠償額を約600万円増額した。
男性の母(71)は「判決を真摯に受け止めて、道民からの信頼に応えられる救助隊に生まれ変わってほしいと望みます」とのコメントを出した。