則竹崇智さん(左から3人目)がトラックにひかれて変形した水筒を見せると、松本純国家公安委員長(左端)が見入っていた=2日午前11時43分、東京都千代田区の国家公安委員会
愛知県一宮市でスマートフォン用ゲーム「ポケモンGO」を操作しながら運転していた男のトラックに小学4年の男児がはねられ死亡した事故を受け、遺族らは2日、松本純国家公安委員長と会い、「ながらスマホ」の交通事故の厳罰化や広報活動の強化を求めた。
運転中ポケGO、操作制限後も続く 「厳罰化には限界」
ポケモンGO、車などで移動中の操作を制限 事故相次ぎ
特集:ポケモンGO
警察庁によると、運転中に携帯電話を使ったとして全国の警察が取り締まった件数は、今年上半期(1~6月)で約48万3千件。「ポケモンGO」が原因の人身事故は7月22日の配信から4カ月間で26件あり、うち3件で死者が出ているという。
面会したのは、亡くなった則竹敬太君(当時9)の父・崇智(たかとし)さん(46)、大村秀章愛知県知事、中野正康一宮市長。崇智さんは、事故で変形した敬太君の水筒と眼鏡を見せ、「このような悲劇が繰り返されないように、厳罰化に向けてお願いしたい」と訴えた。松本氏は「しっかり研究し、二度とこのような事故が起きないよう努めたい」と話したという。崇智さんは「思いは伝えられた。今日の要請は大きな前進で大きな一歩です」と話した。
警察庁によると、車やバイクの運転者が携帯電話を使用していて起こした死亡事故は近年、年間30件程度で推移している。今年は10月末現在22件で、原因別では画面を注視していたケースが14件と最多だった。
取り締まり件数は、5年前の約133万9千件から減少傾向にあるが、昨年も約103万5千件と100万件を超えている。
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男児が死亡した事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の罪で起訴された運転手の会社員川合信右(のぶすけ)被告(36)=同市=の初公判は、来年1月19日に名古屋地裁一宮支部で開かれる。