入院病棟の閉鎖が決まった大口病院=13日、横浜市神奈川区大口通、飯塚直人撮影
横浜市神奈川区の大口病院で入院患者2人が相次いで中毒死した事件は、最初の犠牲者が出てから18日で3カ月になる。物証が乏しく捜査は長期化の様相を見せる一方、病院は経営難から年内に入院病棟(85床)を閉鎖する方針を決め、地域医療への影響も懸念されている。
横浜の患者中毒死
病院には今も連日、神奈川県警の捜査員が出入りする。事件後、病院は再発防止のために看護態勢を強化し、警備員を常駐させるなどしてきたが、ある病院関係者は「経済的な損失は非常に大きい」。入院病棟の閉鎖に向け、患者の転院を進めている。
県警のこれまでの調べでは、院内で使われていた消毒液が点滴に混入されたとみられており、医療器具に詳しい院内の関係者の関与が疑われた。ただ、物証に乏しく、院外から侵入した者が事件を起こした可能性も排除しきれないという。
県警は殺意の立証や混入があった時間帯の絞り込みを進めるため、点滴に混入された消毒液「ヂアミトール」の致死量について専門家に分析を依頼するなどしている。だが、ある捜査関係者は「進展につながるものがない」と打ち明ける。
高橋洋一院長は「まだ混乱している」と言葉少なに話す。看護部長を始め、退職する看護師も出始めた。事件が起きた4階に入院患者はおらず、3階にわずかに残っている。勤務する看護師は「責任もあるし、最後の患者さんが転院されるまで辞めない。ただ事件の真相がわからず、情報が欲しい」。
受け入れ先が見つからない患者…