「風に濡れた女」
日活ロマンポルノを復活させるリブート(再起動)企画の第2弾「風に濡れた女」が東京・新宿武蔵野館と横浜シネマ・ジャック&ベティで公開されている。メガホンは「害虫」「黄泉がえり」などで知られる塩田明彦監督。アクションを最重視し、恋愛をめぐる女と男の攻防戦をオフビートに描いている。
行定監督、ロマンポルノに描いた奇跡 「実話なんです」
ニヒルな雰囲気を漂わせた男(永岡佑)が小さな港でたたずんでいる。すると遠くから自転車に乗った女(間宮夕貴)が一直線に向かってくる。そして速度を落とさず海にダイブする。海から上がった女は、あっけにとられる男の前で、堂々と衣服を脱いだ……。
これが冒頭だが、いきなり観客を驚かせるアクションの乱れ打ちだ。「僕がやりたかったのは、出会いから別れまで、男女の交わりのすべてをアクションとして描くこと。肉体と肉体によって、感情がつながったり、ぶつかり合ったりすることです。ぶつかり合いの延長にセックスもある」
男は高介。華やかな都会を捨て、山小屋で独り、落ち着いた日々を過ごしている。女は汐里。奔放な強い性格で、高介にまとわりつき始める。最初は汐里を拒否する高介だったが、徐々に彼の別の顔が現れる。
「実生活ではちょっと困るかも知れないけれど、映画のキャラクターとしては強い女性がアグレッシブにお話を動かしていくのが僕は好きなんです。間宮さんはオーディションで選びましたが、怒った顔がセクシーそうだった。本人は可愛いタイプ。でも撮影ではカッコよくなっていました。彼女自身はカッコいい女性を演じている意識がなかったようですけど」
アダルトビデオの普及によって…