フェスティバルホールの舞台で共演する吉永小百合さん(右)と坂本龍一さん=19日、大阪市北区、内田光撮影
俳優の吉永小百合さんと音楽家の坂本龍一さんらが19日夜、チャリティーコンサート「平和のために~詩と音楽と花と」(朝日新聞社主催)を大阪市北区のフェスティバルホールで開いた。原爆や福島の原発事故をめぐる詩の朗読と演奏に約2500人の観客が聴き入り、「核なき平和な世界」への願いを共有した。
吉永小百合さん「平和、願うだけでなく」 朗読で伝える
特集:核といのちを考える
1945年3月に生まれた吉永さん。原爆詩の朗読は「終戦の年に生まれた表現者として果たすべき役目」と考え、30年にわたりボランティアで続けてきた。この日は、広島の原爆詩人・栗原貞子の「生ましめんかな」、福島の詩人・和合亮一さんの「五年」など19編の詩を「忘れないで語り継ぐ」との思いを込めて読んだ。観客には「平和は願うだけでなく、みんなでつくっていくもの」と呼びかけた。
吉永さんは今年5月、坂本さんとカナダで朗読会を開き、活動を国内にも広げようと大阪で開催。坂本さんは「平和は黙っていてはやってこない。一人一人の小さな努力の積み重ねが、やがて世界をも動かすと信じたい」と語り、映画「戦場のメリークリスマス」の自作主題曲などを演奏した。趣旨に賛同するシンガー・ソングライターの大貫妙子さんやギタリストの村治佳織さんらも出演した。(宮崎園子、田井良洋)