飛行が再開され米軍普天間飛行場内を移動するオスプレイ=19日午後2時29分、沖縄県宜野湾市、小宮路勝撮影
機体が原形をとどめないほど大破した事故から1週間足らずで、米軍オスプレイが再び沖縄の空を飛び始めた。事故調査を継続しつつ日本での飛行を全面再開するという「見切り発車」。在沖米軍基地をめぐる裁判や返還行事、日米首脳会談など重要日程が控える中、日本政府は米側の説明を早々と容認した。
オスプレイが飛行再開、普天間飛行場から飛び立つ 沖縄
特集:オスプレイ
「オスプレイの機動力、搭載人数、飛行距離など、優れたところがあり、その配備が(日米同盟の)抑止力向上につながる」。19日午前、防衛省。米側から事故原因を説明された稲田朋美防衛相は記者団にこう語り、飛行再開に理解を示した。
事故発生は13日夜。日本政府はすぐにオスプレイの飛行停止を求め、米側は応じた。日ロ首脳会談を終えた安倍晋三首相は16日夜、テレビ番組で「徹底的に原因究明してもらいたい」と強調していた。
だが同じ16日深夜、防衛省は緊迫していた。在日米軍から飛行を再開する意向を伝えられ、稲田氏ら幹部が集合。省内に在室を知らせるランプを消して17日未明まで続いた「秘密会議」では、どのようなタイミングで飛行再開を発表するかについて調整した。
そもそも日本政府もオスプレイの全面撤去は考えておらず、飛行再開は「受け入れざるを得ない」(首相周辺)との空気が支配的だった。ただ、「事故原因の究明」と「安全性の確認」を飛行再開の条件としていただけに、米側の打診は想定より早かった。
米軍側は「オスプレイの機体に…