オーストリアの大統領選で敗北した同国の右翼政党・自由党のシュトラッヘ党首が19日、モスクワを訪問し、ロシアのプーチン大統領の与党「統一ロシア」と2党間の協力合意書に署名した。ウクライナ問題で欧州連合(EU)と対立するロシアとは仏右翼・国民戦線(FN)も友好関係を強調。各国で政権を目指す欧州の右翼政党が連携してロシアとの協力を打ち出し、EUへの対抗姿勢をアピールする狙いと見られる。
自由党によると、合意書にはシュトラッヘ氏と「統一ロシア」幹部のピョートル・トルストイ下院副議長が署名した。自由党からは大統領選決選投票で46%の得票を集めたホファー・オーストリア下院第3議長も同席。合意の詳細は明らかにされていないが、オーストリア通信などによると、議会活動や若者への愛国教育をめぐって情報交換、人的交流を行う内容という。
オーストリアの自由党は大統領選で一貫してロシアとの関係の改善を訴えた。EUは今月15日の首脳会議でウクライナのクリミア半島併合や東部の紛争をめぐる対ロシア制裁を来年7月末まで延長することを決めたが、自由党は制裁解除を強く主張している。
自由党は11月の米大統領選前…