二階俊博氏
連立政権を組む自民、公明両党のぎくしゃくぶりが20日、政府や与党幹部が集まる年末最後の会合で浮き彫りになった。自民が公明を置き去りに成立を急いだカジノ解禁法で生じたすきま風は、収まりそうにない。
国会内であった政府与党協議会。公明の井上義久幹事長は自民の二階俊博幹事長や菅義偉官房長官を前に、「議員立法(のカジノ法)だけで会期の再延長をしたことは問題としなければならない」と述べ、苦言を呈した。
自民が臨時国会の最終盤に法案成立に急にカジを切ったため、公明は党内をまとめる時間が持てず、自主投票になった。井上氏は反対した一人だ。
議員報酬の削減に積極的な公明と慎重な自民が決裂した都議会のことも話題になった。来夏の都議選をにらんだ公明が、自民と対立する小池百合子知事に接近している側面もあるが、自民都連会長の下村博文幹事長代行は「信頼関係が壊れないようにフォローアップさせて頂く」と公明側を気づかった。
二階氏はこの日の記者会見で、公明について「一言一句、考え方や政策が一緒でなくてもいい。連立を組むことが国民、両党のためになる。関係の持続に努力する」と語った。ただ、与党内には二階氏と井上氏の関係悪化を不安視する声も広がっている。(久木良太、山岸一生)