避難所となっている糸魚川市民会館を訪れ、火災現場の様子を伝えるテレビ画面を指さす被災者の女性=23日午前9時40分、糸魚川市、江川慎太郎撮影
繁華街の広い範囲を焼失した新潟県糸魚川市の大火で、多くの人が避難所となった公民館などに身を寄せた。
特集:糸魚川火災
一帯が炎に包まれた同市大町2丁目の自宅から市民会館に避難していた無職の水島舜互(しゅんすけ)さん(76)は、妻(75)と共に館内の一室で眠れぬ一夜を過ごした。
市が指定した宿泊施設などには行かず、市民会館にとどまった。「自分の家がどうなっているのか、まだ分からない。家が心配でならないから、なるべく家の近くにいようと思った」。市が用意した布団に横になったが、「とても眠れたものではない」。
出火後、延焼を防ごうと自宅の屋根にホースで水をかけ続けたが、「すぐに退避せよと指示され、大事なものを持ち出すことが出来ず、着の身着のまま避難してきた」とくやしそうに話した。
一夜明けた23日。水島さんは「親類も被災し、残念だ。まずは自宅がどうなっているのかを確認したい。その上で、これからのことを考える」と疲れ切った表情で話した。(江川慎太郎)