仮店舗で営業を始めた「山岸呉服店」で成人式の振り袖を選ぶ親子=新潟県糸魚川市
大規模火災に遭った新潟県糸魚川市の商店街では2日、いくつかの店舗が営業を再開した。帰省中の人々が菓子などを土産に買っていく姿が見られた。
「山岸呉服店」(大町2丁目)の仮店舗で成人式に着る振り袖を選んでいたのは、富山県の専門学校で学ぶ小田島千夏さん(19)。帰省し、被害が大きいことに驚いた。復興への願いを込めて「きものは糸魚川で選びたい」と、母の正美さん(44)、妹の美冬さん(16)とやってきた。
「前に進もうとする姿に勇気づけられました」と千夏さん。鮮やかな青色の振り袖は、姉妹で引き継いで、大切に着る予定だ。
御菓子司「紅久」にも、地元の人や帰省中の人が、なじみの菓子を求めて次々と訪れた。店主の自宅は被災し、今は公営住宅に暮らすが、店舗は無事で12月31日に再開した。金沢市からやってきた大町啓子さん(67)は子どもの頃、この店の隣に住んでいた。「火事で心配だったけれど、お店に来られて安心しました」と話した。(松浦祐子)