ロシアの国ぐるみのドーピング問題で、国際オリンピック委員会(IOC)は23日、2014年のソチ五輪に出場したロシアの28選手に対し、反ドーピング規定違反に関する懲戒手続きを始めると発表した。
特集:ドーピング問題
世界反ドーピング機関(WADA)の調査チームが9日に公表した最終報告で、1千人以上の選手がドーピング隠しに絡んでいたと指摘。IOCによると、調査チームはIOCが提供したソチ五輪の95検体も調査しており、うち28選手について、一つまたは複数の検体や尿の入った容器に細工をした痕跡があったことがわかったという。
IOCは28選手が陽性の結果が出たわけではないとしながらも、検体に細工したことは反ドーピング規定違反の可能性があるとして手続きを開始。IOCのバッハ会長は「ロンドン五輪、ソチ五輪の全ロシア選手の検体を再検査し、WADAの報告についてさらに調べる」とコメントした。
ロシアはソチ五輪で金メダル13個を含む33個のメダルを獲得した。すでに08年北京五輪と12年ロンドン五輪で採取した検体の再調査で、ロシアの27選手が失格になっている。(ベルリン=河野正樹)