伊方原発の地図
四国電力は26日午前、廃炉を決めている伊方原発1号機(愛媛県伊方町、出力56万6千キロワット)について、廃炉計画を愛媛県に示した。今後約40年間で廃炉を終える計画で、費用は約407億円と想定している。四電は同日、原子力規制委員会に廃炉計画の認可を申請した。
四電によると、廃炉作業の工程は4段階で、解体準備に約10年、原子炉周辺設備の解体撤去に約15年、原子炉本体の解体撤去に約8年、建物の解体撤去に約7年と見込んでいる。他原発の廃炉計画は約30年間が多いが、四電は10年長い約40年間とした。作業の安全性を高め、作業員の被曝(ひばく)量を減らすためという。解体で出る低レベル放射性廃棄物は約3060トンと推定している。
伊方1号機の使用済み燃料237本は、稼働中の伊方3号機の貯蔵プールに移して保管・冷却する。ただ、最短で2024年ごろには貯蔵能力が限界になる可能性があるため、四電は今後、空気の自然対流で燃料を冷やす「乾式貯蔵」施設を伊方原発敷地内に設置する方向で検討を進める。
伊方1号機は1977年に運転を始め、来年で運転開始から40年となる。四電は、例外的に認められている最長20年の運転延長を1号機がしたとしても、多額の安全対策費に見合う収益が見込めないとして、今年3月に廃炉を決定した。
四電が県、伊方町と結んだ安全…