箱根駅伝の出場選手と車が接触しそうになった場面=東京都千代田区、読者提供の動画から
3日にあった第93回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)のコースになっていた東京都内の国道1号交差点で、車の規制ができておらず、神奈川大学の選手が車にはねられそうになっていたことがわかった。規制にあたった警視庁の連携ミスが原因といい、警視庁は「再発防止に努める」としている。
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トラブルは3日午後1時半ごろ発生。主催者の関東学生陸上競技連盟や目撃者によると、復路10区で神奈川大の選手が日比谷交差点(千代田区)を通過しようとした際、左から横断する車列が途切れず、選手とワゴン車が衝突しそうになった。直前で選手が速度を緩め、レースは続行した。
警視庁交通規制課によると、同交差点では選手の通過に合わせて断続的に車を止める規制を実施。手前の地点で通過を確認した警察官が、交差点にいる警察官に無線で連絡し、規制する手順だった。神奈川大の選手の時は、通過の連絡はしたが連携がうまくいかず、東進する3車線が規制されなかった。対向車線は止まっていた。他の選手が通過した際は、問題はなかったという。警視庁は連携強化や配置する警察官の増員を検討しているという。
選手の約50メートル後ろを走る車に乗っていた神奈川大の大後(だいご)栄治監督は「通過する直前になっても車が横切っていた。事故にならず、何とかゴールしてくれてよかった」と話した。レース後にあった監督らの会議で状況を説明し、「タイミングが悪ければ箱根駅伝の存続が危ぶまれる事態だった」と発言したという。
近くで観戦した埼玉県の女子高校生は「選手が近づいているのに車が止まらず、大丈夫かと周りもざわついていた。車は減速せず、選手がひかれそうでハラハラした」。関東学連の担当者は「あってはならないことで、来年に向けて態勢を確認したい」と話した。過去の大会で、選手と車が接触する交通事故が起きたことはないという。(工藤隆治)