「本人と親の責任が一番大きい」「貧困の連鎖を生まない政策を」などと書かれた反響のメール(画像の一部を修整しています)
奨学金破産(反響編:上)
日本学生支援機構の奨学金を返せず自己破産した人が過去5年間で延べ1万5千人。その半分は親や親戚ら保証人だった――。朝日新聞が2月、3回にわたり報道したところ、電話やメール、投書などで多くの反響が寄せられました。主な意見について、2回にわけて掘り下げます。
奨学金800万円重荷「父さんごめん」 親子で自己破産
「娘が自己破産を」 奨学金400万円、定年の父が返還
800万円余の奨学金を返せず、東京で一人暮らしをしながら働く息子と、連帯保証人の父親が相次いで自己破産した事例などを紹介したところ、「800万円も借りる必要があったのか」(50代女性)など、金額が大きすぎるとの声が多く寄せられた。奨学金を返さないことへの批判も目立った。
これに対し、愛知県の男性(28)は「借りざるを得ない人もいることを理解してほしい」と訴える。
国の奨学金制度
2016年度の利用者は約131万人で貸与額は約1兆円。給付型の奨学金は17年度から始まり、18年度以降、毎年約2万人。新たに借りる人は連帯保証人(父母のどちらか)と保証人(4親等以内)を立てるか、保証機関に保証料(借りる額の2~5%程度)を払う機関保証制度を選び、卒業後20年以内で返す。約410万人が返還中で、貸与額は約8兆円。
技術系の高校に通っていた男性は、成績はトップクラスだったが、年収約300万円の家計を考え、就職するつもりでいた。3年生だった2007年度、米国発の金融恐慌の予兆が現れていた。学校の求人リストは減り、めざす大手自動車会社の名前もなくなった。
担任に相談すると、「よく勉強…