開幕した「めぐみちゃんと家族のメッセージ~横田滋写真展」にあわせて、ジャーナリストの池上彰さん(左)と対談する横田早紀江さん=5日午後、東京都渋谷区、杉本康弘撮影
横田めぐみさん(拉致当時13)が1977年11月に拉致される直前まで父の滋さん(84)が撮り続けた家族写真を展示する「めぐみちゃんと家族のメッセージ~横田滋写真展」が5日、新宿高島屋(東京都渋谷区)11階特設会場で始まった。この日は母早紀江さん(80)とジャーナリスト池上彰さんの対談もあり、「拉致問題を風化させてはいけない」と語り合った。
拉致被害39年「待ち続けてる」 横田さん夫妻
池上さんは、めぐみさんが小学5年当時、旅行先から家族にあてて「もうすぐかえるよ!! まっててね」と書いた年賀状が展示されていることに触れ、「胸を突かれました。『待っててね』と言うから、私たちは待っていなきゃならないと思いました」と語った。
池上さんが「私たちは何ができるでしょう」と尋ねたのに対し、早紀江さんは「40年も向こうの国に置かれたままで、つらいんです。みんなで力を合わせて訴え続けなければならないと思うんです」と答えた。
写真展は10日までで、初公開の5枚を含む家族写真50枚余や、早紀江さん手作りのワンピースなど思い出の品も含め計約160点を展示。7日にはめぐみさんの同級生でバイオリン奏者の吉田直矢さんの演奏会もある。両親と同じ川崎市のマンション住人らでつくる支援団体「あさがおの会」主催、朝日新聞社共催。(編集委員・北野隆一)