つくばエクスプレス(TX)の一部の駅で、駅員が駅構内を巡回していないのに巡回したとの虚偽の報告をする「習慣」がはびこっていた。TXを運営する首都圏新都市鉄道への取材でわかった。巡回を怠り、事故につながりかねないミスも見落としていた。
同社によると、昨年10月31日早朝、東京都台東区の新御徒町駅のホームに、視覚障害者らの転落を防ぐホームドアがすべて開いた状態で始発列車が進入。運転士が非常ブレーキをかけ、所定の位置より55メートル手前に停車した。
始発前に駅員がホームを巡回する決まりだが怠り、発見できなかった。だが巡回の時間や場所を記録する表には、異常なしを示すレ点が記入され、巡回したことになっていた。
昨年11月12日午前0時前後には、千代田区の秋葉原駅男性用トイレの個室で、男性が首をつっているのが見つかった。午後10時の巡回をしておらず、発見が遅れた可能性がある。同駅では1日に8回巡回する決まりだが、朝の時点で表に8回分すべてのレ点が記入され、会社に報告していた。
同社広報は「朝の段階でレ点を書いて修正しない悪い習慣が他の駅でもあった」としている。(石山英明)