出場が決まった早稲田実の選手たち=関田航撮影
(27日、第89回選抜高校野球 出場校決定)
第89回選抜大会出場校の一覧
関東・東京の残り1枠は実力校同士の争いになった。東京2位の日大三と関東大会8強で5番手とされた慶応(神奈川)の比較で日大三が上回った。
関東・東京地区の磯部選考委員長は「慶応も総合力が高くて迷ったが、日大三は(東京1位の)早稲田実より上じゃないかというほど力がある」と説明。東京は2校、神奈川からは3年連続で出場なしとなった。
他の地区を見ても、いわゆる「地域性」よりも秋の大会の実績やチーム力が重視された。
九州は福岡、熊本からそれぞれ2校ずつが選ばれた。他の6県からは選ばれなかったが、九州地区の松元選考委員長は「地域性を考慮しても、この4校が上回ると判断した」。あくまで、実力が拮抗(きっこう)した場合に「地域性」が判断材料になるというわけだ。
一方でその地域性に泣いたのは上宮太子(大阪)。昨秋は府予選決勝で履正社を破り、近畿大会でも8強入り。結果的に明治神宮大会を制した履正社を公式戦で破った唯一のチームとなったが、選ばれなかった。近畿地区の杉中選考委員長によると、選考基準に「21世紀枠を除き、同一都道府県から3校は選ばない」という規定があるため。第73回大会(2001年)で茨城から3校が出場したのを機にできた。
21世紀枠は近畿以西の西日本から、過疎化が進む地域にありながら昨秋の高知県大会を制した中村が選ばれた。北信越以東の東日本は選手10人で東北大会に出場した不来方、最後の1校は「地域に愛されている伝統校」という理由で多治見に決まった。日本高校野球連盟の八田英二会長は不来方の選出について「少人数でも続けている学校への力強いメッセージになる」と話した。(山口史朗)