マタニティー制服を着用する妊娠7カ月の女性警察官=県警本部
県警は妊娠中の女性警察官向けの「マタニティー制服」を5月から導入する。現場で活躍する女性警察官が増える中、女性が働きやすい環境を整える取り組みの一環。県警によると、西日本の府県警では初めての導入だという。
「ズボンはおなか回りがゆったりしていて、全体的に大きめ。動くのが楽になりました」
1月上旬から試行用のマタニティー制服を着用する県警本部の20代の女性巡査長はうれしそうに話す。
ズボンはおなかを圧迫しないよう腰回りに伸びやすいゴム素材を使用。ベストはおなかを覆うよう丈は長く、ゆったり作ってある。このほか、ベストとスカートが一体となったジャンパースカートも用意された。
この巡査長は妊娠7カ月。仕事内容は事務作業が多いが、犯罪の容疑者に接することもある。
今でも妊娠中の女性警察官は、所属長の許可があれば私服で勤務ができる。それでも巡査長は「ただでさえ気遣ってもらっているのに、特別扱いがはっきり目に見えて気まずい」と通常の制服を着用していた。
日に日に大きくなるおなか。腹巻きに制服のズボンをつなぎ合わせて着用していたが、おなか回りがきつくなり、もう制服を着られないと思っていた。そんな時、上司からマタニティー制服の着用を勧められた。
「(着た時に)『妊娠していても働いていいんだよ』って言われているような気持ちになった。女性の味方です」
マタニティー制服を県警が導入するきっかけは、妊娠中に制服のサイズで悩んだ経験がある女性警察官の提案だった。この提案を受け、県警が昨年1月に女性警察官対象のアンケートを実施したところ、制服で勤務する警察官の約6割が導入を希望していた。
5月の導入に向け、妊娠中の警…