片井徳久容疑者が住職を務める安城寺=昨年11月、松山市朝美2丁目、畑宗太郎撮影
住職らが詐欺容疑などで逮捕された黄檗(おうばく)宗「安城寺」(松山市)で、施設の建設計画に応じ、設計などの準備をした大阪市の建設会社が約7千万円の損害を受けていたことが、契約に関わった関係者への取材でわかった。
松山・安城寺住職ら再逮捕 建築会社から3億円詐取容疑
安城寺をめぐっては、住職の片井徳久容疑者(56)と、自称檀家(だんか)総代で会社役員の宇都宮貞史容疑者(40)=松山市、別の詐欺事件で公判中=がいずれも背任罪で起訴されている。
建設会社の関係者によると、2012年1月に納骨堂建設に関する契約を寺側と締結。事業費は21億円、着工予定は9月で、寺側が3月までに着手金2億円を支払う約束だった。しかし、期限を過ぎても支払いはなく、説明を求めると寺側は「諦めたわけではない」と強調。「資金は海外から送金される」として関連書類を示したこともあった。同社は設計などを進め、担当者は何度も松山市へ出向き、経費は総額約7千万円に上ったという。
黄檗宗の関係者によると、この…