愛知県の大村秀章知事は6日の記者会見で、山林の違法開発が発覚した同県瀬戸市の定光(じょうこう)寺が2008年にも無許可で山林開発をしていたと明らかにした。大村氏は「極めて悪質な事業者だ」と批判し、寺側から開発の経緯や目的を聴取する方針を示した。
尾張徳川家の菩提寺、山林を違法開発 認可面積の3倍
定光寺は昨年10月、国定公園内で県の許可の3倍に当たる2・8ヘクタールの山林を開発していたことが発覚。県によると、寺は08年にも無許可で国定公園内の私有林を開発していたことが見つかり、事後に0・72ヘクタールの開発を県に申請していたという。大村氏は「毎度毎度、法令に違反し、後追いで申請書を出せばいい、というのは極めて遺憾」と寺の姿勢を批判した。
寺が今回の開発について「ウメやモミジ、サクラを植えるため」と説明していることに対しても、大村氏は「人から見えないような山だ。うそではないか。何か金をもうけようとしたとしか考えられない」と疑問を呈した。
定光寺は、尾張徳川家の菩提(ぼだい)寺として知られる。