実質賃金が5年ぶりにプラス
厚生労働省が6日発表した2016年の毎月勤労統計調査(速報)によると、物価の影響を差し引いた賃金の変動をみる実質賃金指数が前年を0・7%上回り、5年ぶりに増加に転じた。ただ、実質賃金の算定に用いる消費者物価指数(生鮮食品含む)が前年より0・2%下がった影響が大きく、経済の好循環につながるかは不透明だ。
名目賃金にあたる労働者1人あたり平均の月額の現金給与総額は、前年比0・5%増の31万5372円。3年連続で増えたが、このうち基本給にあたる「所定内給与」は24万267円で、0・2%増にとどまった。主に賞与にあたる「特別に支払われた給与」が2・0%増の5万5637円となり、これが現金給与総額を押し上げた。
「所定内給与」を雇用形態別にみると、フルタイム労働者は前年比0・6%増の30万6008円で、パートタイム労働者は0・1%減の9万1828円。働き手全体に占めるパートの割合は同0・22ポイント増の30・70%と上昇しており、全体の名目賃金を抑える要因になっている。
ただ、パート全体の総実労働時…