ダッシュの合間にも、フォームを確認する斎藤佑樹
ボールが山のように入ったかごを両手で持って、プロ野球日本ハムの斎藤佑樹が控室から出てきた。14日、投球練習やダッシュなど予定されていた練習メニューはすべてこなした後。フォームを確認したくて、もう一度、ブルペンに入った。
背番号1の斎藤佑樹「確実に去年の最初よりいい」
投手プレートから本塁までの中間あたりにネットを置いて、そこをめがけて投げる。骨盤を立たせたまま、打者に近い位置で、いかにボールを離せるかが、昨オフから取り組んでいるフォームの改良だ。
単純に歩幅を広げようとすると、「骨盤が寝るんです。骨盤が寝ると、股関節に体重が乗り切らない」。スマートフォンを三脚に立てて自らの姿を撮影し、何球か投げるたびに、手のひらほどの画面を凝視した。
28歳。高校生や大学生のときは、意識しなくてもできていた。「やっぱり、(プロ2年目に)肩を痛めてからだと思います。でも、知らないうちにできていたことが、考えてわかるようになると、楽しいです」
キャンプ地も米国アリゾナ州ピオリアから、沖縄・名護に移った。この第3クールからは本格的な実戦も始まる。「自分の求めているものは遠いけど、『前回よりはいい』と続けながら、トータルでみると、よくなっているのが理想」。地道に、自分を取り戻す作業を続けている。(山下弘展)