小松菜奈さん=東京都渋谷区神南、遠崎智宏撮影
ハリウッドデビューも果たすなど、映画を中心に活躍する期待の若手俳優・小松菜奈さん。22日にスタートする「スリル!~赤の章~警視庁庶務係ヒトミの事件簿」(NHK、水曜夜10時25分)では、警察の庶務係で働く地味な雰囲気の職員なのに、難事件をズバッと解決に導く中野瞳を演じます。撮影も難なくこなしていると思いきや、お初となる連ドラ主演の現場はどうも勝手が違うようです。
――今回、地上波テレビの連続ドラマに初主演します。
テレビ、大好きなんで、素直にうれしいんです。今まで映画を多くやってきましたが、ドラマってどういう現場なのかなと思っていました。ドラマはちょっとだけ出て、撮影は1日で終わることがほとんどだったので、長い期間で撮影する感覚ってどんな感じなんだろう、と。「やってみたいな」と思っていたところで、この話を頂けたのですごくうれしかったです。
――今回のドラマは、主演される「赤の章」と、BSプレミアムで26日に始まる山本耕史さんが主演の「黒の章~弁護士・白井真之介の大災難」(日曜夜10時)が連動するという形をとっています。登場人物や設定は重なるけれど、別の視点で物語が描かれます。
自分でも想像つかなくて、どんな感じの現場になるんだろう、どんな話になるんだろうと思っていました。ドラマ全体で監督が4人いますし、それぞれが思い描く中野瞳のキャラも演出も違います。演技がぶれないようにするのは難しいなと思っています。でも発見も多いですよ。私はこれまで映画が多かったけど、ドラマはドラマの良さが、あるなと楽しんでいます。
――苦労する部分は?
やっぱり監督が複数いるので、第1話の撮影でやったことを「こんな感じのキャラでやってきました」と別の回の監督にやると、「ちょっと違うな」みたいな感じがあります……。関西出身の方もいて、関東との笑いの違いもあるのかなと感じたり、刑事モノなので長ゼリフには苦戦したりしています。ただ、周りの人がかなり助けてくれるので、のびのびとやらせてもらっている感じです。
――おっしゃるように、映画よりもドラマは長い時間をかけて撮影しますね。 映画は1カ月半ほどで終わることがほとんどです。映画は脚本が先に1冊あって、始まりから終わりまで分かっています。でも、ドラマは撮影が映画の倍ほどありますし、その都度、その都度で話が変わることもあります。どういう展開になっていくんだろうと自分も気になりますし、また、演じる役に対して新しい発見もあります。出演者はみんなそういう状況でお芝居をしないといけないし、先のことを考えないといけないので、そういう難しさを現場で感じています。
最初に話をいただいたときは、中野瞳は「真面目で、無表情な感じで」と言われていました。衣装合わせのときも、「ザ・庶務係」という地味な服装でした。ただ、現場に入ると、最初のシーンが、ダンスを踊りながら廊下を歩いていって、という感じだったんです。「え? そんな感じなんですか?」と。それで私も、ぶっ飛んだキャラに日に日になっていくというか(笑)。最初の決められたことは気にしなくていいんだな、「現場、現場でいいんだ」となりました。
――映画も含め作品ごとに毎回…