文部科学省は27日、国公私立の大学が一緒に法人を作って認可されれば、単位互換などの要件を緩和する制度の創設を、中央教育審議会の部会に示した。現在進めている大学改革の一環で、部会で議論して今秋に予定している中教審の答申に盛り込み、2020年度からの導入を目指す。
文科省が提案したのは、大学を運営する複数の法人が、新たに一般社団法人の「大学等連携推進法人(仮称)」を作る制度。文科相から認定されれば、カリキュラムや教員についての規制を緩和する。例えば単位互換に参加する大学は、一部の科目を他大学の授業で代用し、自分の大学で行う科目を減らすことができるようになる想定だ。事務の共同実施による負担軽減や、教職員の人事交流などにもつながるとみる。
今年から18歳人口の減少が加速することなどから、文科省は大学が再編・統合しやすい仕組みを整えようとしている。すでに一つの国立大学法人が複数の国立大を経営できる仕組みを導入する方針で、名古屋大はこの仕組みを利用しようと、4月に東海地方の国立大と協議会を立ち上げる。一方、定員割れが深刻な私大をめぐっては、大学全体でなくとも学部や学科単位で譲渡できる仕組みを導入する方針だ。(増谷文生)