文化審議会著作権分科会の小委員会は24日、小説や新聞記事などを学校が教材としてネットで配信する際、作家ら著作権者の許諾を不要とする新たな制度を設ける報告書をまとめた。許諾を不要とする代わりに学校側は補償金を著作権者に支払う。文化庁はこの制度を盛り込んだ著作権法改正案を、早ければ今の通常国会に提出する方針。
現在の著作権法では、授業で教師が著作物を紙に印刷して配る場合、著作権者の許諾が不要。だが、eラーニングなどネット経由の授業などで著作物を配信する際は許諾が必要になる。
小委は、ICT(情報通信技術)を活用した教育が進む中、ネット経由の著作物配信は紙に印刷して配ることと「同様若しくはより高い意義と必要性が認められている」と指摘し、著作権者の許諾を不要とすることが「適当」と判断。一方で、著作権者の利益を守るために補償金を支払うことも求めた。(藤井裕介)