マニラ首都圏で24日、警察車両から手を出し、「闘い」を意味するLサインを見せる上院議員で元司法長官のデリマ氏=ロイター
フィリピンのドゥテルテ大統領が進める「麻薬戦争」を批判してきた同国のレイラ・デリマ上院議員が24日、危険薬物取締法違反容疑で逮捕された。ドゥテルテ氏の政敵の逮捕に、「政治的な報復だ」との声も上がっている。
比国家警察などによると、デリマ氏はアキノ前政権の司法長官だった2010~15年に、マニラ首都圏の刑務所内で受刑者に麻薬取引をさせ、司法を管轄する立場にありながらその金を使い、選挙資金にあてていた疑いがあるという。
デリマ氏はドゥテルテ氏の大統領就任前から、ダバオ市の「暗殺団」による超法規的殺人へのドゥテルテ氏の関与を指摘するなど、数少ないドゥテルテ氏の批判者のひとり。昨年9月には暗殺団の元団員とされる男性を公聴会に招き、ドゥテルテ氏関与が疑われる生々しい発言を引き出した。だが一方で、麻薬取引に関与した疑いが浮上し、同11月には自身の元愛人も公聴会に呼ばれていた。
デリマ氏が所属する自由党は2…