卒業式後、記者会見する高山勝成さん=28日、名古屋市守山区の菊華高校、吉本美奈子撮影
日本選手で初めて、ボクシングの同一階級で世界主要4団体を制覇した高山勝成さんが2月28日、33歳で私立菊華高校(名古屋市守山区)を卒業した。プロボクサーとして同学年の約280人と過ごした3年間を、「苦しいときに希望をもらった」と振り返った。
大阪出身で、中学卒業後はボクシングに専念。「しっかり受け答えできる大人になりたい」と30歳だった2014年春に入学試験を受け、同高普通科のスポーツコースへ進んだ。1年生の冬にWBO(世界ボクシング機構)ミニマム級王者となり、同一階級でWBC(世界ボクシング評議会)など4団体を制した。「高校生活で学んだ自制心が結果に結びついた」と話す。
たまった宿題をこなすのが、「ボクシングと別のことに没頭でき、リフレッシュになった」。クラスメート同士のけんかをとめたことも2度あったという。
現在はWBOのタイトルを持つ。「目のけがの状態をみながら、今できるベストを尽くしたい」。今後は大学に進学する予定で、教員免許の取得も目指す。
愛知県では3月1日、全日制公立高校の160校で卒業式があり、約4万4千人が巣立つ。通信・定時制の卒業式は19日までに順次ある。(松浦祥子)