米ホワイトハウスのサンダース報道官に退店を求めたレストラン=2018年6月23日、バージニア州レキシントン、AP
トランプ米政権のサンダース報道官がこのほど、夕食に訪れたレストランで入店を拒否されたことが分かった。この出来事にトランプ大統領が「素晴らしい人を拒否する前に、汚い店を掃除しろ」と割り込み、騒ぎが拡大している。
米メディアによると、騒動が起きたのは首都ワシントンから約300キロ離れたバージニア州レキシントンのレストラン「ザ・レッド・ヘン」。サンダース氏が夫や知人ら7、8人で22日夜に同店を訪れると、性的少数者に差別的なトランプ政権の関係者に給仕することに同性愛者の従業員らが難色を示した。現地はトランプ氏の人種差別的な政策に反対する住民が多い地域。このため経営者は、丁重な言葉で店から出るよう求め、サンダース氏も「分かりました」と応じたという。すでにコース料理の前菜などが運ばれていた。サンダース氏は料金の支払いを申し出たが、店側は受け取らなかった。
この経緯が報じられると賛否両論が噴出。民主党のマクシーン・ウォーターズ下院議員は23日、支持者に「大統領に間違っていると言えない閣僚には同情しない」と述べ、トランプ政権の高官を飲食店などから追い出すよう訴えた。トランプ氏も25日にツイッターで参戦。「外観が汚い店は、中身も汚い」と同店を非難し、ウォーターズ氏のことは「非常にIQが低い」などとこき下ろした。
サンダース氏は25日の記者会見で「思想や哲学に関する健全な議論は重要だが、トランプ支持者への嫌がらせや公共施設からの追い出しをあおるようなことは認められない。米国は偉大な国だ。不一致があっても解決策を見つける能力こそ、我々を唯一無二のものにしてくれる」と語った。(ワシントン=土佐茂生)