超歌舞伎で「共演」する中村獅童さん(前)と初音ミク
日本の魅力を海外に発信する優れた異業種連携に贈る「クールジャパン・マッチングアワード」グランプリに、松竹(中央区)とドワンゴ(同)、NTT(千代田区)、パナソニック(大阪府)による、デジタル技術と融合した歌舞伎公演が選ばれた。内閣府に事務局を置くクールジャパン官民連携プラットフォームが主催する賞で、今回が初めての開催。
昨年4月に幕張メッセで上演した「超歌舞伎・今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)」は、ボーカロイド楽曲「千本桜」と歌舞伎演目「義経千本桜」を融合させた舞台。歌舞伎役者の中村獅童さんとCG投影のバーチャル・シンガー初音ミクが「共演」し、連れ舞などを披露した。
同5月にラスベガスで公演した「KABUKI LION 獅子王」では、プロジェクション・マッピングなどの映像技術を駆使。来場者の顔に歌舞伎の隈取(くまどり)を重ねて表示する「変身歌舞伎」など、劇場前でも最新技術によるイベントを展開した。
港区の虎ノ門ヒルズで16日に開かれた表彰式で、松竹の迫本淳一社長は「演劇の市場は小さく、広げるにはグローバルに展開し、若い人に見てもらうことが必要。異業種連携は非常に大切な時期にある」とあいさつ。獅童さんは「初音ミクさんの力を借りてできた作品。次につなげたい」と映像でメッセージを寄せた。(西本ゆか)