女性の参加者が集まる中、米シアトルでの研修結果を報告する菅原優衣さん(中央手前)=7日午後、東京都新宿区、杉本康弘撮影
8日の国際女性デーを前に、「リーダー」に必要とされる心構えや技能について米国で研修を受けた宮城、岩手、福島3県の女性たちの報告会が7日夕、東京都内で開かれた。研修を受けた後の自らの変化や、東日本大震災からの復興を担う決意などを語った。
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報告会は「We are the women leaders from Tohoku!(私たちが東北の女性リーダーです)」と題して行われた。研修を企画したのは、宮城県で女性支援活動をするNPO法人「ウィメンズアイ」。復興や子ども支援など様々な活動に携わっている女性は東北にもいるが、男性と比べると少なく、孤立しがちで、リーダーとしての技能を磨く研修の機会も少ない。ウィメンズアイが、国際女性デー関連のチャリティー基金から寄付を受け、2月に20~30代の女性10人を1週間、米国での研修に連れていった。
貧困世帯の子ども支援に取り組むNPO法人「キッズドア」の東北事業部長、対馬良美さん(36)=仙台市=は渡米前、周囲が「すごい人ばかり」と感じ、自信をなくしていたという。しかし、同世代の参加者と将来像などを語り合ううち、「それぞれやっていることは違っても、悩みは共有でき、同じような社会を目指しているんだ」と感じられたという。報告会後、「心の中にお守りができた感じです」と語った。
岩手県出身で、東京都内の会社に勤める菅原優衣さん(24)は震災当時、岩手大の学生だった。震災後は全国の学生をバスで東北に招く活動に参加した。いずれ岩手に帰るつもりだといい、研修を通じて「岩手に戻って東北での暮らしをPRしていきたい」という気持ちが固まったという。
研修に同行した東京大学のスティール若希(ジャッキ)准教授(比較政治)は「日本では意思決定は『年上の』『男性』がすべきだという考え方があり、若い女性には二重の壁がある。でもコミュニティーの再生力がある若い女性が指導力を発揮できるようにならなければ、少子高齢化の日本で持続力ある経済は成り立たない。東北で彼女たちが意思決定に関われるようになり、先進モデルになればいい」と話していた。(山本奈朱香)