経営労働政策特別委員会報告の最終案
経団連は2017年春闘における経営側の方針の最終案をまとめた。安倍政権から要請のあった賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)についてより踏み込んだ表現で、会員企業に検討するように呼びかける。最終案には、長期安定が続く安倍政権への配慮が強くにじんでいる。
経団連「ベアは選択肢の柱」 特別委、春闘の最終案
経団連の春闘指針「経営労働政策特別委員会報告」の最終案によると、中期的に収益を改善した企業に対し、16年春闘に続き「年収ベースの賃上げ」を前向きに検討するように求める。
企業の実情に応じ賃上げの手法を選ぶことを促し、「定昇やベア、賞与の増額、手当の見直しが柱となる」とベアを明記。「2%程度を基準」とする連合のベア要求にも、「幅のある表現としたのは一定程度評価できる」とした。
安倍晋三首相は昨年11月の「働き方改革実現会議」で、経団連の榊原定征会長に「4年連続のベア実施を」と要請。だが、このときは、今年度前半に進んだ円高で減益となる企業が多く、経団連には「固定的に人件費が増えるベアを実施しない企業が増える」(幹部)との懸念が広がった。
そこで経団連は、単年度だけで…