仏AFP通信は15日、仏自動車大手ルノーの排ガス規制の不正逃れ疑惑を調べた仏当局が報告書で、過去25年以上にわたって排ガス規制の試験で不正をしていたと指摘している、と報じた。報告書は、不正がカルロス・ゴーン社長を含む経営陣も認識したうえで組織的に行われていたとの見方を示しているという。
報道によると、1990年に発売した小型車「クリオ」にも不正があった可能性があるとみられているという。仏紙「リベラシオン」が同日朝、報告書の内容を報じたことを受け、15日の欧州株式市場では、ルノー株は前日終値より3・7%値下がりした。ルノーは声明で「現在の調査についてはコメントしない」としたうえで、排ガス試験を逃れる不正ソフトは搭載しておらず、フランスと欧州の規制を順守していると強調した。
独フォルクスワーゲンの排ガス規制の不正問題を受け、仏政府が国内で販売されたディーゼル車を調べたところ、ルノーの一部車種で窒素酸化物(NOx)の排出量が規制値を超えた。(ロンドン=寺西和男)