高齢者のうち生活保護を受けている人の割合が直近20年でほぼ倍増したことが、厚生労働省の調べでわかった。16日の衆院厚生労働委員会で明らかにした。生活保護世帯の半数超を高齢者世帯が占めているが、実際に高齢者の貧困化が進んでいる実態がうかがえる。
民進党の長妻昭氏の質問に塩崎恭久厚労相が答えた。それによると、65歳以上のうち生活保護受給者が占める割合は、1995年に1・55%だったところ、最新の2015年には2・89%となり、1・8倍に増えた。20年間、ほぼ一貫して増加傾向が続いている。
衆院厚労委では、長妻氏が「年金の脆弱(ぜいじゃく)性が大きな要因の一つではないか」と指摘。塩崎氏は「いろんな原因があると思う。高齢者の世帯構成の変化や経済情勢、資産をどう形で保有するか。年金の脆弱性だけで説明するのは難しい」と答弁したうえで「否定するわけではないが、複合的に考えていくことが大事だ」と語った。