韓国の李俊揆駐日大使=東京都港区の韓国大使館、金居達朗撮影
李俊揆・駐日韓国大使が朝日新聞の単独インタビューに応じ、韓国の次期大統領が慰安婦問題の日韓合意を堅持する必要性を強く訴えた。大使との主なやりとりは次の通り。
「次期政権も日韓合意順守を」駐日韓国大使インタビュー
――昨年7月、朴槿恵(パククネ)政権では4人目の駐日大使として着任しました。
「赴任当時は、慰安婦問題の韓日合意を基に両国関係が正常化の段階に差し掛かっていた。日本での開催が予定されていた韓日中首脳会議を契機に韓国大統領の訪日も期待され、良いムードだった」
「ところが、年末に釜山の日本総領事館前に少女像が設置されるという問題が発生し、日本政府が対抗措置をとるなどして、再び両国関係が冷え込んだ。非常に残念なことだ。一歩間違えると修復が困難になるほど、相互の信頼関係にひびが入ってしまうという懸念がある。両国が協力すべきことがたくさんあるにもかかわらず、協力に支障をきたしていることに大変なもどかしさを感じている」
――日韓合意を主導した朴氏は大統領を罷免(ひめん)されました。5月に行われる大統領選の有力候補者たちは、合意無効や再交渉を主張しています。
「合意の本質は、被害者の方々の苦痛と傷を癒やし、名誉と尊厳を回復することだ。そのために日本側は内閣総理大臣名義で謝罪と反省を表明し、被害者のための財団も設立された。合意は、韓日関係の発展の大変重要な基盤だ」
「このため韓国は次期政権になっても合意を守り、それに基づいて韓日関係を発展させることが望ましく、正しい道だと考える。現政権は次期政権に対し、合意や韓日関係の重要性を説明することが重要だ」
――釜山の少女像設置に対し、…