バチカンで24日、欧州連合(EU)加盟各国の首脳らを前に演説するローマ法王=AFP時事
ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は24日、欧州統合の基礎となったローマ条約締結から60年を記念する25日を前に欧州連合(EU)加盟27カ国の首脳らをバチカンに迎えて演説し、「恐怖に負け、偽りの安全に閉じこもることを拒否したとき、欧州は新たな希望をみつける」と述べ、欧州に広がる排外主義に警鐘を鳴らした。
法王は、経済危機や難民・移民問題を巡り足並みが乱れるいまのEUを念頭に「組織が方向感覚を失い、将来のことを考えることができなければ、後退し、長期的には死の危険にさらされる」と指摘。欧州で反移民、反イスラムなどを掲げる政党が勢いを増す現状について「連帯はポピュリズムへの最も効果的な解毒剤だ。政治には、連帯の精神で政策を考案するリーダーシップが必要だ」と訴えた。(ローマ=山尾有紀恵)