トランプ政権のオバマケア撤廃を巡る動き
トランプ米大統領が大統領選の公約に掲げた医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃・見直しが早くも頓挫した。与党の共和党が提出した代替案に党内から異論が噴出、自ら乗り出した調整に失敗して採決断念に追い込まれた。目玉政策が相次いで司法や議会に待ったをかけられ、より厳しい政権運営を迫られている。
トランプ氏、オバマケア代替案撤回へ 党内調整に失敗
「がっかりしたし、正直少し驚いた。ほとんど手が届いていた」。トランプ氏は24日、ホワイトハウスで記者団に、採決を断念したことに悔しさをにじませた。「そう遠くない時期に新たな代替案を出す」と強調したが、具体的な中身や時期に言及はなかった。
トランプ氏にとって、オバマケアの撤廃は大統領選中から民主党を攻撃する目玉政策だった。勝利直後から見直しに言及、就任後も議会演説で、撤廃・見直しに向けて代替案の成立を訴えた。
米国の制度では、大統領は法案を提出できない。トランプ氏の意向を受け、与党・共和党の下院執行部が今月6日に代替案を公表。党内で不人気だった保険への加入義務づけなどを撤廃するなど「トランプ色」を打ち出す一方、急激な変化による混乱を避けるため、病気を患っている人の保険加入を保険会社が拒否できない条項など現行制度の一部を残す内容だった。
しかし、「完全撤廃」を求める…