インターステラテクノロジズが開発を進める観測ロケットの実物大の模型と稲川貴大社長(北海道大樹町、インターステラテクノロジズ提供)
北海道の社員14人のベンチャー企業がロケット開発に挑んでいる。今春の打ち上げが目標で、成功すれば、民間単独で宇宙にロケットを打ち上げるのは日本初。既製品を使ってコストを抑え、近年増えている小型衛星の打ち上げ受注を狙う。宇宙分野を成長戦略に位置づける国も、民間参入を後押ししている。
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「今からロケットエンジンの燃焼実験を行います」
日中でも零下7度の1月下旬の北海道大樹(たいき)町。雪に覆われた平原に拡声機の声が響く。カウントダウンの後、ガレージ風の実験施設から「バーン」という大音響とともに水平に火柱が延びた。
実験をしているのは、町内に本社を置くインターステラテクノロジズ。燃料のエタノールに液体酸素を加え、80秒間燃焼させた。稲川貴大(たかひろ)社長(30)は「打ち上げに向けた大きなステップになった」。
最初の打ち上げは全長9・6メートル、重さ1トンの観測用の小型ロケットを予定している。20キロの実験機器などを宇宙空間(高度100キロ)に運び、約4分間の無重力状態にすることができる。開発は大詰めで、本番と同じ120秒間の燃焼実験が順調なら、今春の打ち上げに近づく。
同社の平均年齢は30歳。いず…