東京電力エナジーパートナー社長の小早川智明氏
政府は、東京電力ホールディングスの広瀬直己社長(64)を交代させ、後任に電気の販売子会社「東京電力エナジーパートナー」の小早川智明社長(53)を充てる方向で最終調整に入った。経営陣を刷新して経営改革を推し進める狙いだ。
関係者によると、広瀬氏は新たに新設する福島第一原発事故対応を担う副会長に充てる方針だ。数土文夫会長(76)の後任には日立製作所の川村隆・名誉会長(77)が就き、ほかの社外取締役も大幅に入れ替える見通し。月内にも開く取締役会で正式決定し、6月末の株主総会で承認を得る。ただ広瀬氏は社長続投に強い意欲を示し、調整が難航する可能性がある。
福島原発の事故対応費が大幅に膨らみ、東電は経営改革を進めて返済資金を稼ぐ必要に迫られている。東電は国が実質国有化しており、新しい経営陣のもとで業界再編など改革を進めたい考えだ。