三井住友トラスト・ホールディングスとみずほフィナンシャルグループは29日、それぞれが傘下に持つ、年金資金の運用事務などを受託する「資産管理銀行」2行を統合すると発表した。統合後の信託財産は計380兆円で、三菱UFJフィナンシャル・グループ系の日本マスタートラスト信託銀行(約190兆円)に大きく水をあけて業界トップとなる。
資産管理銀行、統合へ みずほと三井住友トラスト
統合するのは、三井住友トラストが約67%を出資する日本トラスティ・サービス信託銀行(昨年3月末時点で信託財産約240兆円)と、みずほが約54%を出資する資産管理サービス信託銀行(同約141兆円)。新たな持ち株会社の傘下に2行が入り、その後、事務の共通化などを進めたうえで合併し、1社体制にする。統合スケジュールは2017年度中に詰める。
資産管理銀行は、年金基金や企業が運用する債券や株式の決済、運用結果の報告などの事務全般を担う。日本銀行のマイナス金利政策で銀行の収益環境が厳しいなか、安定収益が見込める分野だ。三井住友トラストとみずほは、グループを超えた統合で同業務の規模を拡大し、収益性を高めたい考えだ。(真海喬生)