1970年に制定された大宅壮一ノンフィクション賞(日本文学振興会主催)が、今春発表の48回から様変わりする。広く関心をもってもらおうと、読者によるネット投票を導入。コメント欄も設け、優れたコメントを記した5人に「ベストリーダー賞」をおくる。
読者からの票と、有識者の予備選考委員の票を集計したうえで、選考顧問の作家後藤正治さんの立ち会いのもとで5月17日に受賞作を決める。投票期間は4月4日午後3時~5月8日午前0時。候補作は日本文学振興会のウェブサイト(
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/
)で見ることができる。「ノンフィクションを巡る環境は厳しいが、広く一般の人が作品に親しむきっかけにしてほしい」と事務局の担当者。大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞と名称も改める。
候補作は次の通り(作者名50音順)。
出井康博「ルポ ニッポン絶望工場」(講談社)▽大崎善生「いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件」(KADOKAWA)▽梯(かけはし)久美子「狂うひと 『死の棘(とげ)』の妻・島尾ミホ」(新潮社)▽菅野完「日本会議の研究」(扶桑社)▽森健「小倉昌男 祈りと経営 ヤマト『宅急便の父』が闘っていたもの」(小学館)(木元健二)