2013年グランプリシリーズ「スケートカナダ」での織田信成さん
氷上を舞うフィギュアスケートの魅力の一つが、華やかな衣装だ。ジャンプやスピンなど選手の技を引き立たせるだけでなく、演技の印象を左右する要素にもなっている。数々のトップ選手の衣装を担当してきたのが、ダンス用品メーカー「チャコット」(本社・東京都渋谷区)だ。
フィギュア特集 Kiss and Cry
新宿店の「アートスポーツコーナー」の一角に、フィギュアスケートの衣装が並んでいる。「受注してつくることが多いので、店頭にあるのはごく一部です」と同社デザイナーの佐桐結鼓(ゆうこ)さんは話す。
ピンクの生地にゴールドの刺繡(ししゅう)、ラインストーンの装飾が施されたジュニア用の衣装は6万円。デザインからオーダーメイドでつくるトップクラスの選手の衣装は、「お安いもので、20万円台後半」という。
デザインに最も影響するのが曲だ。曲に合わせてデザイン画を数パターンつくり、選手やコーチと相談して決めていく。大まかなデザインが固まったら、型紙、縫製、装飾と進んでいく。演技中に装飾が一つでも落ちると減点されるため、スパンコールやラインストーンなどを縫い付ける際は特に慎重になる。
選手の体形や要望にも気を配る…